食物繊維の多い食材というと、どのようなものを思い浮かべますか? ゴボウとかセロリとかヒジキとかでしょうか。食物繊維の多い食材を摂ることによって、腸の動きが活性化されます。腸の動きが活性化されることにより、Tリンパ球の動きが活性化され、メラトニン→胸腺→Tリンパ球 この生産ラインが強化されることに少なからず寄与します。
私の患者さんでこういう方がいます。10歳の時に虫垂炎=盲腸にかかり、当時の主治医の先生から緊急に手術をと言われたのですが、その方のおばあさんが「手術はしないでくれ」ということで自宅に帰られたのです。
その後、そのご家族でどういったことをされたかというと、生のゴボウを食べさせたということです。おばあちゃんの話によると、抗生物質がなかった時代は、生のゴボウをそのまま食べさせたそうです。生のゴボウを食べることによって、虫垂炎の原因である炎症自体を少なからず抑える働きがある、これは江戸時代から伝えられた先人の知恵なのです。それからその患者さんが20歳になった時に、ふたたび虫垂炎にかかられました。そのときもまた生のゴボウを自宅で2日間食べさせられたということです。この患者さんは現在40歳を過ぎていらっしゃいますが、2度の虫垂炎を手術と抗生物質の治療なくして自然療法で治したというお話なのです。
確かに抗生物質が開発されて、まだ60年と歴史が長いわけではありません。明治時代、大正時代には、盲腸がかかられた方は、皆さんゴボウで治療でなされたということを思うと、素晴らしいことだと感激します。
またゴボウが食物繊維が多い食材であると同時に炎症を抑える作用があるということで、食物繊維の多い食材は常日頃から取り入れることが大事だと思います。
現実的には西洋医学による科学的根拠に裏付けされた、evidenceに基づいた治療が行われているというのが現実なのですが、西洋医学と先人の知恵、両方の良い所を取られるのが大切だと私は思います。